岡山(倉敷)大会現地便り ③

2021年7月14日

 この「現地便り」は、2020年に大会を実施する前提で出したものです。1年延期・オンライン開催となりましたが、大会実施担当は2年に渡って中国四国ブロックが行っていることから、掲載しています。
 ご注意の上、お読みください。

全国の皆さん,ぜひ倉敷の地で学び,
交流を深めましょう!


和田 茂 (わだ・しげる 岡山・水島工業高)

岡山大会の開催地・倉敷はどんなところ?
 岡山大会の会場となる倉敷については,現地だより第1回で妹尾先生が「日本遺産のまち 倉敷市」として紹介されていますが,もう少し紹介します。
 会場となる倉敷芸文館は,年間350万人の観光客が訪れる「倉敷美観地区」に隣接し,歩いて5分でその中心部へ入っていける場所にあります。休日は内外の観光客でたいへん賑わいます。江戸,明治,大正,戦前の建物が500以上そのまま残り,「ブラタモリ #74倉敷」(NHK総合,2017.6.7放映)での「お題」は「なぜ美しい町並みが倉敷に?」でした。戦国時代以前は海であった土地が干拓され,1642年幕府直轄の天領となり,町人の力を借りながら支配した幕府は商人たちに新田開発を許し,富を得た商人たちの大きな蔵が倉敷川河岸に立ち並びます。塩分の多い干拓地に強い綿花栽培を生かして1889年紡績工場が建設され,紡績の町へと発展,その中心にいた大原孫三郎は数百億円(今のお金で)を社会・文化事業に投じ,1930年には「奇跡のコレクション」を持つと言われる日本初の西洋美術館「大原美術館」が開館します。歴史を体現する建物群は路地裏も含めて一見の価値ありです。ぜひ時間をとって巡っていただきたいところです。

倉敷青陵高校生がつくった美観地区ジオラマ(倉敷物語館展示)


 美しく保存された町並みを誇る倉敷にも戦時中の戦禍の跡は残っています。自国第一主義に舵を切る諸外国の姿や徴用工をめぐる日韓の動きを見るにつけ,改めて過去の戦争を次の世代にきちんと伝えていくことの大切さを感じています。倉敷美観地区から車で30分,水島コンビナート北辺に高さ78メートルの亀島山があり,その地下には戦時中,航空機を製作していた全長約2,000メートルの地下工場があります。県下最大の戦争遺跡で,1980年代後半,社会問題研究部の高校生たちがこの地下工場に出会い,調査の中で朝鮮人労働者の過酷な強制労働によって掘削されたものだと明らかになり,1990年には身元不明の「遺骨返還」の取り組みへ,さらに韓国の高校生を招いての交流へと発展しました。現在も有志による地下工場保存活動が続けられています。

岡山大会の中味を少し紹介します
 岡山大会の講演者は鳥飼玖美子さんに決定しています。2019年11月1日に導入延期となった英語民間試験の問題点について,積極的に発言を続けられ,世論に大きな影響を与えてこられました。この問題も含めて今後の英語教育のあり方や方向性について私たちの考えを深める貴重な機会になると思います。
 また,テーマ別分科会の1つとしてハンセン病療養所である「長島愛生園」をとりあげます。2019年11月には隔離政策で差別を受けた元患者家族への補償と名誉回復を図る法律が成立しましたが,ハンセン病の問題の本質はどこにあるのか,ともに考えたいと思います。今回は日程上,現地見学はかなわず,講師をお招きしての分科会となる予定です。

 全国の多くの皆さんの参加をお待ちしています。